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『群青の魚』Audibleレビュー|ながら聴き向き。終盤で関係がほどけていく

結論:福澤徹三『群青の魚』(朗読:田島章寛)は、Audibleでながら聴きしても流れを追いやすく、作図中の相性がとても良い条川署クロニクル③でした。
方言と朗読の相性が変わらず良く、私は1.2〜1.5倍の少し早めが物語のテンポに合いました。派手な大事件で押す回ではなく、人物の背景が絡み合って淡々と面白いタイプです。

■ はじめに

今回聴いたのは、福澤徹三『群青の魚』(シリーズ:条川署クロニクル③/朗読:田島章寛)。再生時間は14時間46分ですが、チャプターが細かく区切られていて聴きやすい構成でした。

単行本は2018年刊、文庫は2021年刊。介護施設の人手不足など、当時の話でも空気が古くならないところがありました。

ドラマ化があれば紹介したいと思って調べましたが、『群青の魚』のドラマ化は見当たりませんでした。

■ 今日の耳読シーン

在宅で図面仕事をしながら耳読。変換・資料整理などの軽い工程から、チェック修正などの中くらいの工程、割付・詳細検討など判断が要る工程まで、仕事の流れの中で“横断して”聴きました。

条川署クロニクルは、前作の人物が立場を変えて絡むのが面白い。ただ順番が違っても楽しめると思います。

■ 本の概要

介護職員、交番巡査、新人刑事。立場の違う3人が、それぞれの事情を抱えながら事件に巻き込まれていく警察小説です。交番巡査の過去と半グレ集団、シングルマザーの介護職員の現実など、背景が絶妙に絡み合っていきます。

バイオレンスはありますが、①のようなダイナミックな大事件が起き続ける回ではありません。②とも違い、淡々と進むぶん人物設定の好みが出やすい。私は聴きやすかったです。

■ ナレーションの印象

朗読は田島章寛さん。シリーズ①②と同じ調子で、落ち着いて進むのに、方言と人物の輪郭が崩れない。今回も「ながら聴き」に向く安定感がありました。

私は少しゆっくりに感じる場面があったので、1.2〜1.5倍に上げると物語のスピード感に合って、さらに追いやすくなりました。

■ ながら聴きの相性(Audible)

※記号は「作業中の聴きやすさ」の目安です(作品の面白さ評価ではありません)。

作業相性(体感):◎◎◎(淡々と追えて、作業の邪魔になりにくい)

  • 変換・資料整理など:◎ 情報量はあるが散らからない
  • チェック修正など:◎ 人物が絡んでも追いやすい
  • 割付・詳細検討など:○ バイオレンス場面は一瞬意識を持っていかれやすい

■ 心に残ったポイント

  • 介護職員・交番巡査・新人刑事の3軸が、無理なく絡み合う
  • 片桐が「思いやりのある刑事」として出てくるのが意外で良い
  • 前作の人物が立場を変えて出てきて、シリーズの面白さが増す
  • 介護施設の人手不足など、現実味がある
  • 介護職は「やりがい」と「人間関係」が続ける鍵かもしれない

前作に比べて序盤は疾走感が弱く、介護がテーマでもあるので、離脱する人はいるかもしれません。私は気にならず楽しめました。

終盤は、伏線回収で畳みかけるというより、絡んだ関係が少しずつほどけていく感じ。この進み方が、ながら聴きでも追いやすくて良かったです。

■ こんな人におすすめ

  • 作業しながら聴ける、落ち着いた警察小説を探している人
  • 派手な事件より、人物の背景が絡むタイプが好きな人
  • 介護の現場や社会の空気が混ざる物語を聴きたい人
  • 条川署クロニクルをシリーズで追いたい人(順番違いでも可)

■ 総評

『群青の魚』は、方言と朗読が変わらず合っていて、Audibleのながら聴きにとても良い一作でした。

序盤と介護施設まわりは淡々と進みますが、終盤は展開が広がっていきます。どんでん返しと言うほどではないものの、絡んだ関係がほどけていく様子が気持ちよく、作業中に流して最後まで楽しめました。

ただ、①②のハードボイルドな手触りを期待すると、物足りなさを感じる人もいるかもしれません。もしこの③から入ったなら、ぜひ①『灰色の犬』と②『白日の鴉』も聴いてほしいと思いました。

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