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『ビタートラップ』Audibleレビュー|作業中でも追いやすい。信頼と恋愛感情がずれていく

結論:月村了衛『ビタートラップ』(朗読:池添朋文)は、作業しながらでも関係性を見失いにくく、軽く聴き進められるAudibleでした。
農水省の役人、中国人の女スパイ、公安という肩書きだけ聞くと、国家の闇やハードボイルドな話を想像しますが、実際はもっと男女の駆け引きに寄った物語。恋愛感情と信頼のずれ方が面白い一作でした。

■ はじめに

今回聴いたのは、月村了衛『ビタートラップ』(朗読:池添朋文)。タイトルからして気になっていた作品ですが、聴いてみると印象は思ったより軽やかでした。

農水省の役人、中国人の女スパイ、公安――設定だけ見ると重くて硬い話に見えます。でも、実際に耳で追っていると、国家の闇というより、男女の駆け引きと揺れる信頼関係が前に出てきます。

■ 今日の耳読シーン

在宅で図面仕事をしながら耳読。変換・資料整理などの軽い工程から、チェック修正などの中くらいの工程までを中心に聴きました。

登場人物が多すぎず、話の軸もぶれにくいので、作業しながらでもつかみやすい。嫌な気分になることも少なく、離脱せずに軽く聴き進められました。

■ 本の概要

中心にいるのは、主人公の並木、謎の中国人女性スパイ、公安のヤマダ。この3人の間で、誰を信じていいのかが少しずつずれていきます。

大きな肩書きのわりに、物語の手触りはむしろ恋愛小説に近い。国家や組織の話が背景にありながら、読後に残るのは「誰を信じたのか」「誰に引かれたのか」という感情の揺れでした。

■ ナレーションの印象

朗読は池添朋文さん。安定していて、今回もとても聴きやすかったです。女性の声が甘すぎず、変に作り込まれていないのが良かった。

一方で、公安のヤマダの声は少し重みをつけすぎたかな、とも感じました。ただ、それで聴きづらくなるほどではなく、全体としては安心して任せられる朗読です。

■ ながら聴きの相性(Audible)

※記号は「作業中の聴きやすさ」の目安です(作品の面白さ評価ではありません)。

作業相性(体感):◎◎◎(軽く聴けて、流れも見失いにくい)

  • 変換・資料整理など:◎ 人間関係の流れを追いやすく、手が進む
  • チェック修正など:◎ 登場人物が絞られていて散らからない
  • 割付・詳細検討など:○ 終盤の大きな波は少し意識を持っていかれやすい

重たいテーマで気分が沈むこともなく、ながら聴き向きの一作でした。国家サスペンスとして身構えすぎなければ、作業用にもかなり相性が良いと思います。

■ 心に残ったポイント

  • 並木、中国人女性スパイ、ヤマダの3人の関係が面白い
  • 信頼関係と恋愛感情が少しずつずれていく
  • 設定の大きさに対して、物語の芯はかなり人間寄り
  • 国家の闇やハードボイルドを期待すると物足りないかもしれない
  • 最後は、大きな波に流されるような展開が好きな人に合う

■ こんな人におすすめ

  • 作業しながらでも追いやすいAudibleを探している人
  • 国家サスペンスより、人間関係の揺れに惹かれる人
  • 恋愛感情と信頼のずれ方を楽しみたい人
  • 最後に波が来るタイプの話が好きな人

■ 総評

『ビタートラップ』は、肩書きの大きさに反して、かなり人間の感情に寄った物語でした。農水省、中国人スパイ、公安と並ぶと硬い話を想像しますが、実際はもっと恋愛小説のように読めるし、耳でも聴けます。

池添朋文さんの朗読も安定していて、作業中でも見失わない。重すぎず、嫌な後味も少なく、軽く最後まで聴ける。国家の闇を深くえぐる作品を期待すると違うかもしれませんが、信頼と感情の揺れを楽しむ物語としてはかなり聴きやすい一作でした。

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